Suzuka Yoshioka
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2020年度の講義を振り返って

年度末を迎えました。私が担当した、成城大学法学部の「法社会学」(通年4単位)、桐蔭横浜大学法科大学院「法社会学」(後期2単位)は全てオンラインでの実施でした。

成城大学法学部の「法社会学」を受講した感想を書いてもらいましたので、いくつか紹介します。

 

法社会学の授業を通じて、いつもなら法的根拠でしか議論しない問題について、もっと人に身近な考え方でアプローチしたことが新鮮だった。「法律ではこう決まっているけど、でも実際難しいね」の、難しいよねの部分を深掘りしていくのが楽しいと感じた。簡単なことなのに、いつもとは違った考え方をするので、なかなか意見が出てこなかったりした。身近な問題や疑問からも社会の問題に切り込んでいけるのだと分かった。(3年生Hさん)

 

この授業を通して、法学部の学生として3年間の中で初めて目を向けた観点から物事を考える癖が得られました。この法社会学の講義では、社会における実体法がどのように作用し、現実に人々がどのように反応しているかについての状況を分析することによって、立法や現行法の運用の改善に応用することを目的としていました。その目的に対して自分なりに仮説を持って検証することがこの講義を通して何度も経験でき、他の講義の中でも一際思考量が必要な講義で非常に有意義でした。(3年生Oさん)

 

新型コロナウイルスの影響でオンライン授業が行われたが、本授業は私が履修しているどの授業よりもオンラインということを活かした授業を行っていたと強く感じている。グループワークは、大人数の対面授業ではやったことがなかったのでとても新鮮であった。1年間ありがとうございました(3年生Sさん)

 

質問に毎度丁寧に回答してくださったため最後まで安心して受講し続けることができました。また、グループワークやチャットを用いた学生間の交流の場を設けてくださったおかげでこの時世下でも「講義を受けているんだ」という実感を失うことなく過ごすこともできとてもありがたかったです。私は去年コロナと就活の二重苦に苦しめられ大分精神的に参ってしまっていたのですが、こういった交流の場で人と対話する機会が設けられていたことは本当に心の支えになっていました。やはり人と話すことは大事ですね。(4年生Kさん)

 

一年間、多様性のある授業を展開していただいたおかげで、俯瞰性、客観性が強化されたように思います。本当にありがとうございました。(3年生Sさん)

 

みなさん、本当にお疲れさまでした。教員としての感想を述べます。

2019年度から挑戦している多人数講義での同時双方向学習の実践という側面からは、オンラインの技術環境により展開できうる選択肢が増え、例年にはない手応えもありました。

もっとも、教員の力量不足やnew normalに伴う混乱等により、こちらの真意がうまく伝わらず、反省する機会も少なくありませんでした。

また、準備・対応時間が前後に伸びる状況で、sustainableな授業運営と本来の学習内容・目的との間で逡巡する場面も多かったです。

2021年度もオンラインでの実施が決まっています。

コロナ禍を奇貨と捉え、できることに正面から向き合っていきたいと思います。

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